第19回 財政破綻について
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北海道の夕張市が「財政再建団体」の指定を受けたという衝撃的なニュースが日本中を駆けめぐった。今回は、なぜ自治体が財政破綻に陥ったか、また財政再建団体とはどういったものか説明します。
【財政再建団体とは?】
国の法律(再建法)に基づき、(市町村においては)赤字額が20%を超える地方自治体に適用される。民間企業でいう「倒産」であり、会社更生法の適用に相当します。
【財政再建団体になると?】
国の指導・監視下におかれ「財政再建計画」によって歳入・歳出ともに厳しい見直しが行われます。歳入においては、福祉に関わる使用料や手数料など、近隣市や同等の市の最も高い額と同一になります。歳出においては、各種団体への補助金や環境・福祉・教育などにおいては最も低い水準となります。つまり、行政サービスの著しい低下と市民負担の増大につながります。
【なぜ財政再建団体になるの?】
財政の将来展望がなかった。(大規模公共事業や中心産業の衰退)
【今後の対策は?】
(1)市役所の内部努力(危機意識を持つ)
(2)徹底した情報公開(行政の出資公社や公共事業について)
(3)決算重視の行政運営(行政運営の効率化を図る)
(4)市民自治の推進(市民サービスの見直しスクラップ&ビルド)
* 財政再建団体から脱却した町では、地域のしがらみが無くなり、市民が自らで動くようになり、行政と市民の一体感ができたという。